こんにちは。
蒸し暑い日が続きますね。
皆さま、如何お過ごしですか?
朝起きて、窓を開け、この時期のもわんと湿度の高い朝をむかえる度に、
「あ〜、台湾の朝みたい」と、台湾にすっと気持ちが旅立ってしまいます。
お茶とお菓子がおいしい街として、私の定点観測地が二つあります。
台湾とパリです。
このふたつの街の共通点は、私の中では色々とありますが、
やはり、食の底辺がしっかりしていることと、
人々が街で、お茶の時間を自分達流に愉しんでいることです。
台湾が好きで旅するようになって、10年くらい経ちます。
旅の目的は、料理はもちろんの事でしたが、
もうひとつは台湾のお茶でした。
(料理文化の本で都市シリーズがあり、台湾編に傾倒していました。)
はじめて飲んだ台湾茶。
凍頂烏龍茶と文山包種茶の素晴らしい香りと味に魅せられていたので、
その美味しさを確認したいという気持ちで旅立ったのを憶えています。
初めて訪れた茶芸館。
雰囲気、佇まいに魅了されて、
お茶菓子のバリエーション、味、食感、全てに心酔しました。
聞香杯(もんこうはい)と呼ばれる細長い香りだけを楽しむ器に
お茶を注ぎ、お茶は、また別の飲む為の器に移す。
その器にはお茶の香りだけ残っていて、
まずは、その香りだけを楽しむのです。
そして、お茶菓子。
茶梅と呼ばれるお茶に漬けてある梅や、
南国のドライフルーツ、緑豆の押菓子、ジャスミンの香る小さな餅菓子、
月餅、パイナップルケーキ、南瓜の種、などなど、お店にもよってですが、
色々な種類のお菓子が沢山用意されているお店が多く、
その中からお茶にあわせて選びます。
どれも、甘さの加減が絶妙で、
儚いお茶の香りを邪魔せず、寄り添い、お互いを引き立ててくれます。
蒸し暑い昼下がり、窓の向こうには、新緑の影が見えます。
こんな時間の経過を楽しむ日常があるなんて。
と、台湾の皆さんを羨ましく思いました。
この気持ち、もうひとつの街パリでも同じ様に思いました。
フランスのお茶も香りを楽しみ、お菓子を楽しみ、
人と共にその時間を過ごすことを愉しみます。
お茶を淹れ、お茶菓子をつまみ、
友人達とたわいもない話をする午後。
ふたつの街では、老若男女、色々な組み合わせの皆さんが、
その時間を当たり前のように愉しんでいらっしゃいました。
私も、ふたつの街を想いながら、
自分の暮らす街でお茶の時間を愉しみたいと思います。
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